【不動産登記】権利証がない場合(その1)

2021年11月07日 08時00分 不動産

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 コロナワクチンの副反応は軽い頭痛程度で、仕事をするのに何ら支障はなく、通常通り仕事を再開しています。

 佐藤事務所は土日祝を休みにしていますが、お客さんの都合などによっては、土日祝でも仕事でお客さんとの打合せに臨んでいます。

 打合せの中で、書類に署名と押印をお願いしたり、権利証や印鑑証明書などの登記に必要な書類をお預かりすることがあります。
 権利証(登記識別情報)は、売買や贈与で不動産を譲渡する場合や、抵当権設定などで担保を不動産に設定する場合に、譲渡人や担保設定者からお預かりします。

 もっとも、権利証であれ登記識別情報であれ、紛失してしまうと法務局で再発行してもらえない書類です。

 しかし、これらの書類がないと登記できないのかというと、そんなことはありません。次のいずれかの方法をよく利用します。

 ①権利証等を添付しないまま法務局に登記を申請して、それから法務局から権利証を紛失等した方に対して「事前通知」という書類を送付してもらう
 ②司法書士が、権利証や登記識別情報に代わる「本人確認情報」という書類を作って法務局に登記申請する
 といういずれかの手続きです。
 いずれかの方法により登記手続は可能です。

 ①「事前通知」の方法は、法務局に登記を申請した後、法務局から「〇〇という登記が申請されましたが、申請の内容は真実ですか。真実なら、法務局からあなたに送付した書面に実印を押して法務局に持参又は返送してください。」という内容の封筒が届きます。

 その登記を申請したことに相違ないなら、法務局の指示通りに実印を押して持参か返送をします。
 しかし、この書類は、法務局が「事前通知」を発送してから2週間以内にしなければいけません。

 この2週間というタイムリミットは、意外とあっという間に過ぎてしまいます。
 そのうえ、お客さんの中には実印ではない認印を間違えて押してしまう方もおられます。

 そうすると、法務局から登記申請の取下げを促されてしまい、登記が予定通りにできないということになってしまいます。

 以前、仮登記の抹消の件でお客さんが権利証を失くしていたため「事前通知」で対応したケースを思い出します。
 そのときにお客さんが間違えて実印以外の印鑑を押していたため、実印を押してもらう段取りを進めている途中で2週間が過ぎてしまい、登記申請を取り下げて申請し直したということがありました。

 印鑑の押し間違いや、法務局に書類を送るのを忘れてしまったというハプニングは、期限厳守の種類の事案(銀行や不動産会社も関わる融資案件)ではあってはいけません。

 そのため、その種の事案の場合、①「事前通知」ではなく②「本人確認情報」作成という手段を取っています。
 では、「本人確認情報」とはどういうものでしょうか。(次回に続く)

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