広島県福山市の相続登記・成年後見は佐藤正和司法書士・行政書士事務所へ!
司法書士・行政書士の佐藤正和です。
少し特殊な相続手続を紹介します。
「特別代理人」がかかわる相続です。
1.未成年者
【例1】
Aが1000万円の普通預金を残して死亡したとします。
遺産分割協議は法定相続人全員の間でおこなわれます。
そうすると、【例1】Aの法定相続人はBCなのでBCが遺産分割協議をすることになりそうですが、そうはなりません。
Cのような未成年は、たとえ法定相続人であっても遺産分割協議に参加できないからです。
では、Cに親権者Bがいるので、BがCの親権者としてCの代わりに遺産分割協議に参加できるのでしょうか。
【結論】Bが親権者として遺産分割協議に参加することはできません。
【理由】Bが親権者として亡Aの遺産分割協議をすることは「利益相反行為」(無権代理行為)にあたり、その効果はCに原則として帰属しないからです(民法113条1項、※1)。
【例1】ではBCそれぞれ法定相続分2分の1があります。
CはBと同じく500万円の財産を受け取る権利があるものの、もしBだけの判断で遺産分割できるとすれば、Bが自分が得する遺産分割をする可能性があります。たとえばBがAの普通預金をまるまる自分の名義にするなどです。
親から「預かる」といわれたお年玉は返ってくる保証がないのと同じように、未成年の権利が親の食い物になるおそれがひそんでいます。
そこでCの財産が守られるようCのために「特別代理人」を選任する必要があり、その選任は家庭裁判所で行われるとされています(民法826条)。
【例1】と同じ問題は、次の【例2】のような成年後見人と成年被後見人との間でも起こります。
2.成年被後見人
【例2】
こちらの例でも家庭裁判所でCのために特別代理人を選任してもらう必要があります(民法860条)。
3.遺産分割協議書の記載
遺産分割協議書では特別代理人の署名捺印(または記名押印)が必要です。
特別代理人の記載はどうなるでしょうか(D:特別代理人の氏名)。
【結論】(〇はOK、✕はダメ)
〇「C特別代理人D」
✕「B特別代理人D」
✕「C親権者B特別代理人D」
✕「C成年後見人B特別代理人D」
【理由】
特別代理人DはCを代理して遺産分割協議をするからです。DはBの代理人ではありません。
※1 最判昭和46年4月20日判時631-53
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