【相続】未登記建物とは?問題点や表題登記の必要性を司法書士が解説

2022年09月13日 21時00分 相続・遺言

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広島県福山市の相続登記・成年後見は佐藤正和司法書士・行政書士事務所へ!
司法書士・行政書士の佐藤正和です。

相続登記などのご相談を受ける際、対象不動産の中に登記されていない建物(未登記建物)があるケースによく遭遇します。
未登記建物は、相続や売買の手続で初めて気付くことが少なくありません。

未登記建物(まだ表題登記がされていない建物)の所有権を取得した場合、所有権取得日から1か月以内に表題登記を申請しなければいけません(※1)。
この義務に違反した場合、10万円以下の過料に処せられます(※2)。


本ブログでは、未登記建物について私の経験を踏まえて解説します。

1. 建物が未登記かどうかを調べる方法
未登記建物かどうかを知りたい場合、固定資産税に関する書類(課税明細書、評価証明書)の記載を確認します。
課税明細書や評価証明書では、登記されている建物であれば家屋番号欄に家屋番号が記載されています。
家屋番号欄が空欄または未登記と記載されていれば、その建物は未登記であると判断して通常は問題ありません(※3)。

・未登記建物が存在する理由
未登記である理由としては、自己資金で建築したことから、金融機関から登記を求められることがなく、登記を備えないまま現在に至ったケースなどが考えられます。
もし現金ではなく金融機関からの借入れで建物を新築した場合、金融機関は融資の条件として、建物の表題登記や抵当権設定登記を求めることが一般的だからです。

2. 未登記に伴う主な問題
(1) 所有者にとっての問題(取引を敬遠されるおそれ)
未登記建物では、登記簿を見て所有者を確認することができません。建築確認申請書などの登記簿以外の書類を見て確認することになりますが、そのような書類を紛失していることも考えられます。
所有者であることを容易に確認できない建物では、売買などの取引後に真の所有者を名乗る者が出現する可能性があります。そのような不安が残る取引は敬遠されます。

(2) 社会にとっての問題
建物が未登記ですと、登記簿で所有者を確認することができないため、所有者の把握に時間を要します。
そのため、大規模災害発生後、建物の解体やがれきの撤去、再開発をする際の妨げになるという問題が生じます。

(3) 私の経験上直面した問題
他人から賃借した土地の上に建物を新築したが未登記のままにしているというご相談が寄せられました。
もし土地の貸主がその土地を売却した場合、土地の買主に借地権を対抗できず、建物の収去や土地の明渡しを求められる可能性があります(※4)。
借地上の建物について登記を備えておけば、借地権を第三者に対抗できるため、そのようなリスクを避けることができます。
未登記建物の登記をするかしないかの判断の参考にしていただけるよう、未登記のままの問題点として以上のことをご相談者に説明させていただきました。

3. まとめ
2026年7月には、法務省が未登記建物の実態調査をおこなっている旨の報道がありました。
現時点では、未登記建物を未登記のままにしているという理由で過料に処せられたことを弊所では確認できていません。
しかし、国が実態調査を進めていることから、今後の制度運用が見直される可能性も考えられます。
未登記建物についてご不安な方は、表題登記の専門家である土地家屋調査士に相談なさってください。また、司法書士に土地家屋調査士の紹介を相談されるのも良いでしょう。
弊所では土地家屋調査士を紹介しておりますのでお気軽にご連絡ください。

※1 不動産登記法47条
なお、相続登記が義務化される法律改正がされた前後の時期に、未登記建物の登記についての問い合わせを複数いただきました。しかし、相続登記義務化の法律改正以前から、未登記建物の表題登記を申請することは義務です。

※2 不動産登記法第164条

※3 自治体によっては、未登記建物ごとに家屋番号欄に番号を振って建物情報を管理していることもあります。私の経験では山口県の某市でそのような管理をしていました。そのような自治体においては、家屋番号欄に番号があるからその建物は登記されていると判断することは誤りという可能性があります。
また、家屋番号欄が空白または未登記と記載されていても、自治体の誤記や見落としの可能性があります。記載に疑問がある場合は、自治体の資産税課などの担当課に確認すると良いでしょう。


※4 借地借家法10条

2022年9月13日公開
2026年8月7日更新
未登記建物に関する報道や当職の経験を反映し、未登記建物が存在する原因・問題点を全面的に見直しました。

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