私は名前が「正和」なので、自分の戸籍には名前として「正和」が表記されています。
もしも戸籍に「雅和」と表記されていたら、「正和」と「雅和」のどちらの漢字を使うのが正しいのでしょうか?
読み方は変わらないものの、普段の生活で使用している漢字(たとえば「正」)とは異なる漢字(たとえば「雅」)が戸籍に記録されているというケースがありました。
相続登記のために被相続人の出生から死亡までの戸籍、除籍、改製原戸籍を集めたところ、一番古いもののみ「雅和」となっていて、その後の戸籍等では「正和」となっていた、というケースです。
※実際の事案は「雅和」「正和」ではありません。
なぜ漢字の不一致が生じたのか考えると、昔の戸籍は役所の職員が手書きで作成していたので戸籍を作るときに書き間違えたのかなと思います。
間違いは間違いとして、被相続人「正和」の相続登記をする際に必要な除籍は「雅和」のもので良いのか、と疑問に思いました。
「正和」の相続登記なのに「雅和」の分を集めて法務局に申請したところで、それは「正和」でない「雅和」という他人のものでしょう、と法務局から書類の不備を指摘されるかもしれないからです。
ですので、名前の漢字は統一しなければならず、さてどうしようかと案じました。
法務局と某町役場との相談を通じて、次の2つに場合分けして対応することになりました。
①除籍の「雅和」が誤りで後の戸籍の「正和」が正しい
→町役場が除籍の「雅和」を職権更正して「正和」にする(職権で更正できるかもしれない、という役場からの回答を得られたため。)。または、法務局に不在籍証明書と評価証明書(被相続人の名前「正和」が記載されているもの)を提出する。
②除籍の「雅和」が正しくて後の戸籍の「正和」が誤り
→戸籍法113条の利害関係人から家庭裁判所への戸籍訂正の申請により、戸籍記載の名前を「雅和」にする。
戸籍法第113条 戸籍の記載が法律上許されないものであること又はその記載に錯誤若しくは遺漏があることを発見した場合には、利害関係人は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍の訂正を申請することができる。
※「若しくは」は、「もしくは」と読みます。
「利害関係人」とは具体的には誰か、どこの「家庭裁判所」に申請するのかなど疑問が生じますが、調べれば答えは分かります。
今回は①にあてはまるので戸籍法113条に基づく申請をすることはありませんが、戸籍法113条を検討することも初めてなので探究心を刺激されました。
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