先月、十年くらい前にお亡くなりになった方(故人)の相続財産管理人に選任されました。
その仕事として、故人の財産調査をしています。
典型的には不動産、預貯金、負債が挙げられますが、そういう財産を故人が有していたか(負っていたか)を調べます。
そして調べた結果をもとに財産目録を作成し、管轄の家庭裁判所に報告する必要があります。
相続財産管理人に選任されただけの段階では故人に関する情報がほぼ手元にありません。
しかし、管轄の家庭裁判所を訪ねて所定の手続きをとれば対象事件の資料をコピーさせてもらえます。
コピーできる資料の中には戸籍もあるので、故人の死亡年月日や死亡時の住所など具体的な情報が得られます。
それらをもとに所有不動産の有無を調べたり、「〇〇銀行は故人の住所の近くにも支店があるから、生前利用していたかもしれない」と思う場合には、その金融機関に残高照会をお願いします。
今回の相続財産管理人の業務では、思い当たるいくつかの金融機関にあたりをつけ、預金口座の有無の調査と、口座がある場合には残高証明書の発行を請求しました。
口座残高が数百円程度のものから数千円程度のものまで複数ありました。
額が僅少とはいえ故人の財産ですから、家庭裁判所への報告の対象となります。
今後の流れではこれらの口座を解約することになるのですが、ある専門書によると、金融機関によっては解約の際に家庭裁判所の許可をとりつけるよう求めてくるところもあるようです。
本来は許可は不要なのになぜ必要とするのか考えると、そもそも相続財産管理人の仕事の周知が図られていないのか、金融機関の安全策か、そのあたりが許可を求める理由なのでしょう。
もし家庭裁判所の許可を必要とすると、家庭裁判所に許可申立書を提出しなければならず、その申立書には800円の収入印紙を貼らなければいけません。
わずかな預金の解約手続きのために800円の印紙を必要としたり、残高証明書取得の段階で500円から1000円未満の手数料を金融機関に支払うのでしょうか。残高が本当にわずかであれば、あしが出て収支はマイナスになってしまいます。
私以外の専門職の相続財産管理人が、こういう場合にどう対応しているのか知りたいものです。
なお、先に触れた専門書によると、金融機関の担当者に、法律的には家庭裁判所の許可が不要であることを説明して理解を得たり、残金が印紙代より少ない場合は家庭裁判所に相談するという対応を紹介しています。
たしかに、預金が存在する以上はスルーするわけにはいきません。
とくに急ぐわけではありませんから、このような堅実な対応で手続きを進めていきます。
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