【相続】相続放棄の注意点|司法書士が経験を踏まえて解説

2022年02月21日 15時30分 相続・遺言

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広島県福山市の相続登記・成年後見は佐藤正和司法書士・行政書士事務所へ!
司法書士・行政書士の佐藤正和です。

1. 相続放棄
・被相続人の借金を相続したくない
・相続手続のことで不仲な親族と連絡をとりたくない
以上の理由から相続放棄をしたいというご相談が寄せられます。

相続放棄のご相談では、ご相談者から事情を伺い、相続放棄の要件を満たす可能性があるか検討します。
要件を満たす可能性があると考えられる場合、相続放棄申述書類の作成と、戸籍等の必要書類を取得します。
要件を満たさないと考えられる場合、相続放棄以外の方法があればその方法をご案内しております。
相続放棄にあたり注意してほしい点を、弊所に寄せられたご相談内容を踏まえて解説します。

2. 注意点
(1) 次順位相続人が存在する場合

次の図の場合、Dが亡くなると相続人は父A、母Bとなります。
A、Bが相続放棄をすると、次順位の相続人であるCが相続人になります。

・私の経験
上記のケースにおいて、A、Bが相続放棄した後、次順位相続人のCにA、Bが相続放棄した旨を告げる必要があるかというご質問を受けました。
A、Bには、Cに対して相続放棄をした旨を通知する法的義務はありません。
しかし、Cにとって自らが相続人になることは予期せぬ事態といえます。
Cとの間に日頃の付き合いがあるかなどの個別の事情によりますが、A、Bが相続放棄をした後、相続放棄をしたことを伝えておくことも検討してよいでしょう。

(2) 相続放棄できる期限(起算点)
原則として、相続放棄は、被相続人が亡くなったことを知ってから3か月以内におこないます。

・私の経験
被相続人が亡くなったことを知ってから3か月を過ぎてから、ある信販会社の弁護士代理人から未払金の支払いを求める内容証明郵便が届いたというケースがありました。
多額の未払金の支払いを免れるために相続放棄をしたい、というご相談です。

例外的に、一定の条件を満たせば上記3か月の起算点の繰下げが認められます(※1)。
お亡くなりになったことを知ってから3か月が過ぎている場合のご相談については、その条件を満たすかどうかを検討します。

(3) 相続放棄前に遺産分割をした場合(法定単純承認)
弊所に寄せられたケースではありませんが、次のようなことも考えられます。

遺産分割→不動産の相続登記などの手続を済ませた後、多額の相続債務の存在が発覚しました。
その債務を相続したくないので相続放棄したいのですが可能ですか。

→遺産分割協議を行った場合には、法定単純承認に当たるとして相続放棄が認められない可能性があります(※2)。個別事情によって結論が異なり得るため、事前に専門家へ相談することをおすすめします。

(4) 相続放棄の有効性が争われる可能性
相続放棄申述を家庭裁判所に受理した後でも、相続放棄が有効かどうかが裁判で争われる可能性があります。
被相続人が残した遺産の一部を取得した事実を隠して相続放棄申述をしたが、他の相続人から相続放棄の無効を主張されるというケースです。

司法書士として相続放棄申述書類の作成のご依頼をいただいた際、後日相続放棄の有効性が争われないかを検討します。その検討の材料にしますので、もし遺産を処分、取得したなどの事情があればその事情を司法書士に伝えるようお願いしております。

(5) 管轄裁判所はどこか
相続放棄の申述は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対しておこないます。
「本籍地」ではないことに注意が必要です。
最後の住所地は、住民票の除票や戸籍の附票などで確認します。

(6) 添付書類は写しで良いか
戸籍等については、写しで足りる取扱いとしている家庭裁判所もあります。事前に管轄家庭裁判所のホームページなどでご確認ください。

3. まとめ
相続放棄の申述受理件数は増加傾向にあります。
「借金や不動産を相続したくない」「疎遠になった親族と関わりたくない」など理由は様々です。
弊所では、ご依頼者の個別事情に対応して相続放棄申述書類を作成いたします。
実際にご依頼いただいた方からは、「安心できた」とのお声をいただくことがあります。相続放棄をご検討中の方は、お気軽に弊所へご相談ください。


※1 判例では次の条件が示されています(最判昭和59年4月27日民集38・6・698)。
①被相続人に相続財産が全くないと信じていたこと
②被相続人の生活歴、交際状態その他諸般の状況からみて、当該相続人に対し相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があったこと
③相続財産が全くないと信ずるにつき相当な理由があると認められること
この条件を満たす場合、相続人が相続財産の全部又は一部を認識した時又は通常これを認識しうべき時から3か月です。

※2 大阪高決平10年2月9日家月50・6・89

(公開日:2026.2.21/更新日:2026.8.6)
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