広島県福山市の相続登記・成年後見は佐藤正和司法書士・行政書士事務所へ!
司法書士・行政書士の佐藤正和です。
抵当権抹消登記のご依頼をいただくことがあります。
中には数十年前に設定された抵当権の抹消登記のご依頼もあります。設定から長期間が経過しているため、特有の問題をはらんでいます。
そのような問題について、比較的よくある案件と私が経験した特殊な案件を説明します。
1. 抵当権者である金融機関が合併で消滅している事例
(1) 合併後、抵当権抹消の場合
抵当権者・A銀行が、B銀行に合併により吸収されました。その後、ローンが完済され、A銀行が抵当権を抹消したとします。
この場合、抵当権抹消登記をする前に、A銀行からB銀行への抵当権移転登記をする必要があります(※1)。
合併によりA銀行が有していた抵当権がB銀行に承継され、抵当権者がB銀行になるからです。
(2) 抵当権抹消後、合併の場合
抵当権者・A銀行がローン完済により抵当権を抹消した後、A銀行がB銀行に合併により吸収されたとします。
この場合、抵当権抹消登記をする前に抵当権移転登記をすることはありません。
合併の時点ですでに抵当権が抹消されており、なくなった抵当権が移転するということはあり得ないからです。
2. 抵当権者が本店を移転している事例
抵当権者・A銀行が本店を移転しているだけの場合では、抵当権者そのものが変わるわけではありません。
そのため、抵当権移転登記をすることはありません。
・私が経験した特殊な案件
昭和30年代に設定された抵当権の抹消登記のご相談が寄せられました。
不動産登記簿を確認すると現在でも存在する金融機関でしたので、比較的単純な手順で完了できる登記と考えました。
しかし金融機関の本店所在場所を調べると、次のとおり、抵当権者の本店所在場所が、会社登記簿と不動産登記簿で一致していないことが判明しました。
会社登記簿:〇市〇区〇丁目〇番〇号
不動産登記簿:〇市〇〇番地
その金融機関の閉鎖登記簿を管轄法務局から取り寄せて確認したところ、過去に本店移転や住居表示が行われていたことが分かりました。
この場合の抵当権抹消登記では、本店移転などの事実が記載された閉鎖登記簿を添付する必要があったため、閉鎖登記簿を取得し、それを添付書類の一部として抵当権抹消登記を申請し完了させることができました。
その閉鎖登記簿では手書きで記載がされていたため判読が困難な箇所もあり、記載内容を読み取るのに苦労しました。
3. まとめ
一見すると単純に見える抵当権抹消登記でも、実際に書類作成に取り掛かると予想外に難しい問題を含んでいるケースもあります。
とくに、登記にあたって閉鎖登記簿が必要になる場合には、その記載の読み取りは一般の方には難しいと考えられます。
ご自身で手続きを進めることに不安を感じられる方は、司法書士への手続依頼も検討なさってください。
※1 抵当権移転登記を申請する場合の添付情報の例
①A銀行がB銀行に合併されたことを証明できる情報(B銀行の登記簿など)
②B銀行の委任状
2021年10月28日公開
2026年8月8日更新
抵当権抹消登記と抵当権移転登記との関係について整理したほか、私の経験を加筆しました。
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