【不動産】通行地役権

2024年06月28日 19時00分 不動産

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司法書士・行政書士の佐藤正和です。

他人の土地を通行する権利として「通行地役権」があります。
今回は通行地役権に関する備忘録です。

Aが1-1の土地から1-2と1-3の土地を通って道に出たいとします。
1-2はA自身の土地なので1-2を通ることはできます(※1)。
1-3は他人Bの所有です。そこで1-3を通るためにBと契約を交わし通行地役権を設定したいという相談がAから寄せられたとします(フィクションです。)。
その契約では通行できる範囲も決めます。ここでは黄緑色の部分を通行地役権の範囲とします。

通行地役権では「要役地」「承役地」も契約で定める必要があります。

要役地:通行地役権を必とする土地のこと
承役地:通行地役権を負担する土地のこと

通行地役権を必要とするのは1-1なので要役地は1-1です。
通行地役権を負担する土地は1-3なので承役地は1-3です。

要役地と承役地が隣り合っていないことになります。しかしこれらの土地が隣り合っていなくても通行地役権は成立します。
したがって、要役地1-1、承役地1-3とする通行地役権を設定することは可能です。

上記事案では1-2の所有者はAでした。
以下では事案を変えて1-2の所有者をCとします。
1-2は他人Cの所有なので、Aが1-2を通るにはその土地上に何らかの通行権が必要です(※2)。
1-2に何らの通行権がない場合でも要役地1-1・承役地1-3の通行地役権を設定できるのでしょうか。

Aは1-2を通ることができない以上そのような通行地役権を設定する実益はないようにも思えますが上記の通行地役権は設定できます。


※1 A以外の者が1-2を使用する権利は存しないものとします。

※2 通行地役権、賃借権、使用貸借権、囲繞地通行権。本件は権利性を有しない好意通行の事案ではないとします。

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