【相続】ユーチューバーの相続

2021年12月10日 12時00分 相続・遺言

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1、デジタル遺産としてのYouTube
 「ペイペイの相続」に続くデジタル遺産についてのテーマとして、ユーチューバーが亡くなったときのYouTubeコンテンツ、収益金の相続の可否について検討します。

 ユーチューバーならではの財産は、①コンテンツの著作権、②広告収入から得られる収益金を受け取る権利です。
 それぞれ、相続の対象になるのでしょうか?

2、①コンテンツの著作権
(1)著作権がユーチューバーにある場合
 YouTubeにアップロードした動画(コンテンツ)の著作権は、通常はユーチューバーに帰属します。
 そして、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の『権利』義務を承継する。」とされています(民法896条)。
 この『権利』には、当然著作権が含まれます。
 したがって、ユーチューバーが死亡した場合、その著作権は相続人に相続されることになります。

(2)著作権がユーチューバーにない場合
 これに対して、著作権がユーチューバーに帰属していない場合はどうでしょうか?
 そもそも、著作権は譲渡が可能です(著作権法61条1項)。
 そのため、ユーチューバーが会社に所属して活動している場合には、著作権を会社に譲渡していることが考えられます。

 このときは、その著作権は被相続人たるユーチューバーに属していたわけではないので、相続の対象とはなりません。

(3)著作権の帰属先を要確認!
 このように整理すると、コンテンツの著作権がユーチューバーに帰属するかどうかの確認が大切だということが分かります。
 会社に所属するなどして第三者と協力してYouTubeのコンテンツを作成している場合、会社と契約書を取り交わしているかと思います。その場合には、契約書の著作権規定に目を通してみましょう。
 もしも「契約書がない、口約束ですが」という場合は注意が必要です。相続の不安があるなら、生前対策として、書面で著作権の権利関係を明確にするべきです。

3、②広告収入から得られる収益金を受け取る権利
 これはれっきとした金銭債権なので、相続の対象となると考えられます。

 「Googleアカウントヘルプ」というサイトを見てみると、「死去したユーザーのアカウントに関するリクエストを送信する」というページがあります。
 その中に、「死去したユーザーのアカウントから資金を取得するためのリクエストを送信する」というチェック項目があります。
 つまり、②広告収入から得られる収益金を受け取る権利についても相続の手順が用意されています。

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