広島県福山市の相続登記・成年後見は佐藤正和司法書士・行政書士事務所へ!
司法書士・行政書士の佐藤正和です。
成年後見制度を利用するには、家庭裁判所に後見開始等審判開始の申立てをします。
申立ての際に提出する書類に「医師の診断書」があります。
申立書類を作成していて「医師の診断書」の提出する必要があるか考えることがありました。
結論として診断書の提出は法律上必要とはされていません。
しかし、できるだけ家庭裁判所に提出すべきと私は考えています。
備忘録として以下に記します。
1. 鑑定が省略される?
「家事事件手続法」という法律に次の規定が置かれています。
(精神の状況に関する鑑定)
第119条 家庭裁判所は、成年被後見人となるべき者の精神の状況につき鑑定をしなければ、後見開始の審判をすることができない。ただし、明らかにその必要がないと認めるときは、この限りでない。
後見開始の審判にあたり、原則として鑑定をする必要があるということです(保佐開始の審判については同法第133条に同様の規定があります)。
この鑑定は、通常であれば家庭裁判所からの鑑定依頼に応じた主治医が行う手続きで、後見開始審判等の申立てをした後に実施されます。
もっとも、「明らかにその必要がないと認めるときは」例外的に鑑定不要とされています。
鑑定が必要となれば鑑定手続きを要する分審理が長引きますし、鑑定費用もかかります。
そのため鑑定が必要かどうか、申立人にとって大切なことです。
「明らかに鑑定の必要がないと認めるとき」が具体的にどのような場合を指すか調べると、東京家庭裁判所後見センターのHP掲載資料に次の記述がありました。
「診断書等から本人の精神状況について明らかに後見等開始相当と判断できる場合には、鑑定依頼をしないこともあります」(「診断書を作成していただく医師の方へ」より)
「診断書等」の内容によっては鑑定不要ということです。
2. 「診断書等」とは
「診断書等」は、後見開始審判等の申立てをする前に用意する書類ですので、診断書の作成は、申立て前に申立人等から医師の先生にお願いしておこなってもらいます。先にあげた鑑定が申立て後におこなわれることと区別する必要があります。
ここで「鑑定書等」の「等」とは何のことか気になったので、先に触れたHPの掲載資料を読み返すと「親族等からの聴取内容等」も資料に勘案して鑑定の要否を検討する、とありました。
さらに他にないか調べると、ある書籍では次の書類が紹介されていました。
・療育手帳、精神障害保健福祉手帳の写し(コピー)
・社会福祉士、ケアマネジャー等の専門家による報告書
・診療情報提供書
・介護保険認定の主治医意見書
これらの書類に家庭裁判所が本人の判断能力低下を判断できるだけの情報が記載されていれば資料として役立つと思われます。しかし、そのような情報が記載されているかどうかやや疑問です。
診断書が必要か検討しようと思ったのは、医師の先生に診断書の作成をお断りされた経験がきっかけとなっています。
調べた結果、やはり診断書は作成していただくほうが良いと考えてその医師の先生に作成を再度お願いしました。
結局は診断書を作成していただいたわけですが、本人の入所施設の職員を介して作成をお願いしていたので、医師の先生と施設職員の方の協力あってこそ診断書を用意できたものと振り返っています。
後見の勉強は今後も深めて参ります。
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