こんばんは!司法書士の佐藤正和です。
広島県福山市で相続登記・成年後見は佐藤正和司法書士・行政書士事務所へ!
1、会社をやめたいという悩み
さて、会社事業をやめるときのブログネタを一つ紹介します。
「会社を続けるのがしんどいので、会社を閉じたい」と思った場合、その手続きについてどの専門家に相談すべきでしょうか?
もしかすると、会社を設立するときに設立登記を依頼した司法書士の顔を思い浮かべるかもしれません。ある方は、普段付き合いがある税理士に相談するかもしれません。
私のように司法書士に上記の相談をすると、「会社の解散、清算結了という登記手続をしましょう」という回答が高い確率で返ってくるはずです。
たしかにこの回答は正しいのですが、一つ気の利いた回答もできるかなと思います。
2、「解散・清算結了」でなく「休業」
「解散・清算結了」では、会社は「死亡」します。これに対して、「休業」は「一時休止」のイメージです。
「『イメージ』とはなんと曖昧な表現なんだろう」と思われるかもしれませんが、私は「休業」について体系的な知識を持ち合わせておりません。
「それでは専門家失格だ」と批判が畳みかけられる気がします。しかし、「休業」手続きは基本的に司法書士の専門外です。「休業」手続きでは、「解散・清算結了」の手続きと異なり、登記は必要ないからです(※1)。
そもそも会社が「休業」を検討する背景には、活動していない期間、会社に課せられる税金の負担を軽減したい(又は免除されたい)という思惑があるようです。調べてみると、たしかに休業届を提出すれば法人住民税の均等割を減免する自治体があります。
そうだとすると、税金に関する相談と捉えられるので、税理士に相談するほうが適切な回答が得られると考えられます。
さらには、休業期間中の社会保険はどうなるかも問題となるので、社会保険労務士からも「休業」について適切なアドバイスを期待できるかもしれません。
3、会社が事業を再開する可能性があるなら「休業」も選択肢のひとつ
「休業登記」という会社の登記は存在しません。それゆえ、司法書士は「休業」手続きを自分の意識の片隅に押しやってしまい、相談者にそれを伝えることがおろそかになるかもしれません。
なんでこんなことを考えているのかというと、会社を閉じる相談を頂いた際に、まさに私が「休業」についてまで頭の回転が及ばなかったことがあるからです。
その会社は設立して日が浅かったので、
①会社を閉じたい
②それなら解散・清算結了だ
と単純に考えるのではなく、
①会社設立から日が浅い
②解散・清算結了の手続きではお金が結構かかる
③せっかく作った会社を閉じるのはもったいない
④もし事業再開の可能性があるなら、解散・清算結了以外に良い方法はないか?
と考えたうえで、相談者に「休業」という選択肢を紹介するのが妥当だと反省しています。
「休業」は登記とは基本的には関係がないとはいえ、登記の周辺知識として概要は知っておきたいところです。
※1 休業期間中でも役員変更登記義務などは存続します。「休業中だから役員変更の登記はしなくて良いよね?」という休業に関する質問に対しては「登記の義務はあります」と司法書士として回答できますので、休業と登記は完全に無関係とまではいえません。
なお、株式会社では最後の登記の日から「12年間」登記に変更がない場合、解散したものとみなされる可能性がある点にも注意が必要です(一般社団法人と一般財団法人は「5年間」)。
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