【相続】ペイペイの相続

2021年12月09日 08時00分 相続・遺言

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1、デジタル遺産とは?
 本屋をぶらぶらしていると、デジタル遺産の相続についての本を見つけました。

 「デジタル遺産」とは何だ?という疑問がわいてきますが、この定義は法律上明確ではありません。

 しかし、データや、そのデータを保存しているハードディスクなどは「デジタル遺産」に含まれることに異論はないと思います。

 普段の買い物の中で、「デジタル遺産」に関係しそうなものは何かな?と疑問を抱きました。
 たとえば、ペイペイはどうでしょう?
 預金などと同じように、ペイペイ利用者が死亡した場合には「デジタル遺産」として相続されるのでしょうか?

 この点については、①QRコード式で決済する電子マネーで②換金ができるものについては、法的には「相続の対象となりやすい」とされます。

 「相続の対象となりやすい」という表現は何ともあいまいです。
 しかし、現時点では、デジタル遺産の相続について明確なルールが法律として定められていません。
 そのため、具体的なケースバイケースで相続の対象となるかどうか検討せざるを得ないので、このようなあいまいな表現になってしまうのです。

2、ペイペイはデジタル遺産か?
 ペイペイについては、結論から言うと相続の対象となります。
 なぜなら、①QRコード式で決済でき、②換金も可能な電子マネーだからです。
 現に、PayPay残高利用規約第5条によると、残高から振込手数料を引いた金額が、相続人に振り込まれると規定されています。

 ペイペイの残高は何十万円だという方もおられると思います。これはまとまった金額です。相続手続きの見落としのないように気を付けたいです


3、ポイントカードのポイントは相続される?
 卑近な例で恥ずかしいのですが、私はTポイントカードを使っています。
 Tポイントは相続されるのでしょうか?
 この点については相続されないとされています(ファミマTカード会員規約Ⅴ22(6))。
 すなわち、Tポイントカードの会員が死亡したときは、会員の地位は相続されず、会員の地位は失われるのです。

 「そんな規約は間違っているのではないか、相続されるべきだ」と思う方もおられるかもしれません。
 しかし、ポイントは商品などを購入したときに「おまけ」「特典」として付与されるものです。購入者に特別に与えられるものなので、一身専属的な性格といえるでしょう。したがって、相続されないと考えるのが妥当です。

 もっとも、ポイントが相続されるかどうかは、それぞれの会員規約をきちんと読んではじめて判断できるものです。
 どうなのかなと気になる場合には、ネットでそのポイントの会員規約に当たってみると良いでしょう。

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