先月末に緊急事態宣言が解除されて、三密を避けながらではありますが、人が集まる催し物が再開されつつあります。
私が趣味で参加している演劇鑑賞会も再開されており、14日の夜には、県民文化センターで演劇「マクベス」鑑賞会が催されました。
「マクベス」は、言わずと知れたシェークスピアの四大悲劇の作品の一つです。
シェークスピアのテキストでは、3人の魔女が登場し、マクベスが将来スコットランドの王になると彼に予言します。
しかし劇中では、女性が魔女を演じるのかと思いきや、まさかの男性が演じていました。しかも、3人ではなく4人!
テキストとは違いがあるものの、魔女の動作が奇怪に見えるよう趣向が凝(こ)らされているのがとても面白かったです。
普通は役者さんは観覧席にお腹を正面に向けて役を演じますが、わざと魔女役の方は観覧席に(お腹でなく)背を向けて立ち、後頭部には魔女の仮面を付けています。
これは、魔女の不気味さを表現するためと、これからマクベスの身に起こる、良からぬ出来事を暗示するための演出だと思います。
本当は背中を向けているのに正面を向いているかのように魔女役が動き回るので、腕の関節の曲がり方があべこべに見えるなど、ありえない身体の動きをしているかのように錯覚をしてしまいました。
照明による演出も、とても素晴らしかったです。
魔女や兵士、そしてマクベスの筋肉の動きが紫や赤色の照明に照らされてうごめく様子は、場面の緊張、恐怖、不吉さ、不可解さをよく表現できていたと思います。
ところで、1606年、当時のイギリス王ジェームズ1世も「マクベス」を鑑賞したそうです。
ジェームズ1世は、高校世界史でも登場する歴史上の人物です。
どんな人物だったかを知りたく、高校生のときに使っていた世界史の教科書でジェームズ1世を調べました。彼は、劇中でマクベスの手下に暗殺されたバンクォーの子孫だそうです。
ジェームズ1世は、彼にとってご先祖の仇(かたき)であるマクベスが取り乱す様子を、どんな気持ちで観ていたのでしょう。
こういう知識のつながりや広がりを楽しめるのも、演劇鑑賞の良いことだと思いました。
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