【不動産】地役権図面

2023年04月07日 21時00分 不動産

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 広島県福山市の相続登記・成年後見は佐藤正和司法書士・行政書士事務所へ!
 司法書士・行政書士の佐藤正和です。

1、地役権
 他人の土地を通行したい場合、「通行地役権」という権利を設定することがあります。
 「通行地役権」があれば、堂々とその土地を通ることができます。

 地役権も登記できる権利です。
 倉敷で仕事をしているときに地役権の登記を目にすることがあったのですが、福山に戻ってきてから数年間巡り合うことがありませんでした。
 ところが、最近になって地役権の設定登記をする機会に恵まれました。

2、地役権図面
 他人の土地の一部にだけ通行地役権を設定する場合、その地役権設定登記の申請では「地役権図面」を添付します。
 なぜ「地役権図面」が必要なのでしょうか?
 
 それは、土地のどの範囲に地役権が及んでいるかを誰にとっても明らかにするためです。
 「地役権図面」を見れば土地の一部が「地役権の存する部分」として線で囲まれているので、地役権が及んでいる範囲を知ることができるわけです。

3、今回の業務経験
 私は精確な図面を作成するノウハウを持っていません。地役権図面の作成については私の専門外と考えて土地家屋調査士さんに依頼しています。

 とはいっても、地役権設定登記の手続代理は司法書士の仕事です。「地役権図面」はその登記申請に添付する書類なので、どんな内容の書類なのかはきちんと勉強しておくべきです。

 ということで、登記申請前の書類準備段階で、不動産登記規則の条文を参照して「地役権図面」について知識を整理しました。

不動産登記規則第79条(一部省略)
①地役権図面には、地役権設定の範囲を明確にし、方位、縮尺、地番及び隣地の地番並びに申請人の氏名又は名称を記録しなければならない。
④地役権図面には、地役権者が署名し、又は記名押印しなければならない。

第80条(一部省略)
②書面申請において提出する地役権図面は、・・・日本産業規格B列四番の丈夫な用紙を用いて作成しなければならない。

 勉強したうえで地役権設定登記を申請したところ、「地役権図面」について担当登記官から私に電話で次の4つのご指摘をいただきました。
 その内容は、上記の規定に照らして確かにそうだということばかりでした。

①まず、私が提出した地役権図面には作成者(図面を作成してもらった土地家屋調査士さん)の記名押印がありました。しかしそれは要らないとのこと。
 →たしかに上記の規定のどこにも作成者は記名押印しなさいとは書いてません。調査士さんは自分が業務として作成した書面には記名押印する義務がある(はず)ですが、そのこととは切り離して考えるのでしょう。

②次に、私が提出した地役権図面には、申請人の氏名又は名称の記載がありませんでした。
 →上記の規定に照らしその記載は必要ですので、私の誤りです。

③提出する地役権図面は1通で足ります。
 →私は2通(登記原因証明情報の一部としての1通+独立した書類として1通)も提出していました。登記原因証明情報の一部としての1通は付ける必要がありません。

④地役権図面は原本還付できません
 →私は原本還付できると考えていました。一応原本還付できる・できない書類を書籍で調べたうえでその通りに考えたのですが、間違っていました。

 他にも注意点があり、たとえばA3ではなくB4というのも気を付けたいところです。

 登記ができあがったときはうれしかったです。この気持ちは登記関係の仕事をしている方にしか分かってもらえないと思います。
 あまり遭遇しない登記に出合うと、正直面倒だなと気持ちがマイナスになります。
 しかし、調べたりして取り組んで登記が完了したら、気持ちがそれまでのマイナスから一気にプラスに変わるのでうれしいわけです。
 担当登記官のかた、土地家屋調査士さん、ありがとうございました。学んだ知識を今後に生かします。


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